株の売買注文の仕組みは? 私設取引システム(PTS)とは?
- 2016/2/12
- 初心者

この記事では株の売買注文の仕組みを解説しつつ、証券取引所を通さない、私設取引システム(PTS:Proprietary Trading System)についても触れていきたいと思います。
株の売買の仕組みを、マグロの「せり」を例に上げながら説明したいと思います。記事を読む中で、株価上昇のメカニズムを理解いただけたらと思います。
株の売買注文の仕組みとは?
株の売買注文の仕組みを分かりやすく一言で表すと、卸売り市場などで行われている「せり」です。青果や水産物、食肉などはその時々で需要と供給が異なります。例えば、マグロが不漁の年には、マグロの供給量が下がるため、必然的にマグロの単価は上昇します。
一方で、マグロの需要は一定していますので、マグロが大漁の年には、マグロの単価は下がっていくことになります。
中央卸売り市場では、こういった需要と供給のバランスをとるために、「せり」にかけて、公正な価格形成を促しています。
この「せり」では、多くの買い手に競争され、最高値をつけた人がそのモノを手に入れることになります。
欲しい人が沢山いれば、価格があがり、欲しい人が少なければ価格は下がります。
株価の上昇メカニズムもこの「せり」と基本的には同じです。
人気のある銘柄は高くなり、人気のない銘柄は安くなるという「市場メカニズム」が働いており、公正な価格形成がされていきます。
では、「人気」というものをどうやって捉えるか?というのは、書き出すとそれだけで何千文字も必要となるので、また別の機会にじっくりと解説したいと思います。
話を「せり」に戻しますと、中央卸し売り場では、買い手と売り手が「手サイン」で値段を示して駆け引きします。
実は1999年まで証券取引所でも同じように、証券会社の担当者が手サインで株の売買注文を行っていました。
これを「場立ち」と言いますが、その後のコンピューターの発達により、今ではプログラムによる自動売買が行われています。
なお、東京証券取引所では2010年に導入した新システム「アローヘッド」では、注文を出してから売買成立(約定:やくじょう)までは一瞬で行われます。
その後のスマートフォンの普及も相まって、株式投資を手軽にできる時代となりました。
私設取引システム(PTS)とは?
株の売買は証券取引所を通して行うのが一般的ですが、最近ではその証券取引所を通さずに、株式を売買することができる電子取引システムが登場しています。それが、私設取引システム(PTS:Proprietary Trading System)です。
ごく一部のインターネット証券会社がこのシステムを導入しています。
取引時間は、昼間取引が8:20〜16:00まで、夜間取引が19:00〜23:59までです。
証券取引所を通じた株式投資では、基本的に9:00〜15:00までですので、例えば、16:00に保有株が下方修正のニュースを出した時には、このPTSを通じてすぐに売却ができる等のメリットがあります。
なお、日本のPTSに類似する取引システムとして、アメリカではATS(Alternative Trading System)もしくはECN(Electronic Communications Network)と呼ばれる私設取引システムが1960年代から拡大しており、2012年3月の取引量は市場全体の30%を超える水準となっています。
一方で、日本の私設取引はまだ市場の5%という水準に留まっており、海外と比べるとまだまだ低水準と言えます。
まとめ
ということで、株の売買の基本的な仕組みと、最近の売買システムのPTSをご紹介しました。PTSは使い所は難しい部分もありますが、例えば、15:00以降に公表されたネガティブニュースがあった場合に、すぐに夜間のPTSで売り逃げる(損切りする)という使い方もあります。
そうすれば、翌日以降の連続ストップ安に巻き込まれることなく、ダメージを軽減できる可能性があります。
あとは、日中取引ができないサラリーマン向けと言われていたりしますが、取引量がまだ少ない点を考慮すると、資金量が大きい方にはオススメしません。
このあたりは時と場合に応じて、上手く使い分けていくのが良いかと思います。
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