株初心者の売買技術はなぜ上達しにくい?ヒントは勉強モデルにあった。
- 2015/5/7
- 勉強

こんばんは、井上 一歩です。
この記事では、「なぜ株式投資の技術は上達しにくいのか?」というテーマについて書きたいと思います。
本記事のヒントになった本はこれです。
投資の行動心理学という書籍で、この書籍から株式投資を勉強するうえで非常に重要なことを学ぶ事ができました。
ただ、洋書の翻訳版だからか、かなり読みにくいので初心者の方には正直オススメできない本です。。
(その代わり、かなり噛み砕いてこの記事でエッセンスを紹介するのでご安心を)
株式投資の売買技術が上達しにくい理由
まず最初に言えることは、株式投資の技術上達に学歴は関係ないということです。いわゆる受験勉強や資格勉強は、勉強時間に比例して知識も経験も増えていくので、結果がついてきますよね?
つまり、たゆまぬ努力さえ続ければ結果は得られるということです(もちろん効率は個人差がありますが)。
しかし、株式投資はもちろん知識や経験は必要ではありますが、それを積み重ねたからと言って結果が出るかというと、そうではないのが現実です。
それはなぜなのか?
それは『正しい勉強(学習)モデルを構築しているか、していないか』ということだと思います。
どちらかと言うと、スポーツに近いんじゃないかなというのが個人的な印象です。
この書籍の著者が言いたいことを簡潔に言うと、『行動心理学に基づいた”正しい勉強(学習)モデル”を株式投資でも構築しましょう』ということです。
つまり、いくら勉強をしてもダメで、スポーツのように体を動かしながら(株の売買をしながら)、その動作一つ一つについて原因と結果の検証をしないとダメということです。
行動心理学における勉強(学習)モデル
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、行動心理学における学習モデルはざっくりと次の3ステップで表すことができます。刺激 → 行動 → 結果
これを繰り返して、人は学習していくわけです。
例をあげますね。
■事例1
ある時、外出中に突然雨が降ってくるとします。
そのときに手元に傘を持っていなかったので、近くにコンビニを探しますが見当たらず、ずぶ濡れになってしまいます。
そして、次は折りたたみ傘を鞄に入れて外出しようと考えます。
これを行動心理学で分析すると、雨が降ってくる(刺激)→ 傘を探すが見つからない(行動) → ずぶ濡れになり、折りたたみ傘を鞄に入れておこうと思う(結果)となります。
人は子供の頃から、この学習モデルを繰り返して、様々な事を学んでいきます。
つまり、失敗事例から、色々な考え方を学んでいくのです。
ところが、株式投資は、この学習モデルがうまく機能しにくい状況にあります。
理由は簡単です。一回一回の刺激に対する行動において、100%の正解はないからです。
株式投資で勉強(学習)モデルが機能しにくい理由
株式投資では、ある刺激に対して、本当は正しい行動をしていたとしても、結果が逆になる可能性があります。その時に人はどう思うか?
自分のとった行動は「間違っていた」と思うわけです。
■事例2
保有株が下落しているとします(刺激)
損失が膨らんできたので損切りをしたとします(行動)
しかし、その後に、株価はストップ高をつけてしまった(結果)
こんな事例、経験ありませんか?
結果だけ見れば間違いのようにも見えますが、、、この行動が間違っているかと言うと、そうではありません。
■事例3
保有株が下落しているとします(刺激)
損失が膨らんできたので損切りしたとします(行動)
すると、その日は暴落日であって、その後に株価はストップ安をつけてしまった(結果)
この事例は行動が上手く言った事例ですね。
この事例2と3のように、株式投資は1回1回の事象に焦点を当てた場合、必ずしも正しい行動が良い結果を生むとは限りません。
でも、自分のお金のことになると、冷静な判断が下せなくなり、1回の損失を引きずってしまい、学習モデルが湾曲し、そして泥沼に落ちていってしまうのです。
株式投資で勉強(学習)モデルを機能させるためには
実際には、一貫した行動を繰り返していき、回数を増やしていくと、統計的に、その行動が正しい(資産を増やすためには効率的)と言える場合があります。この事に気づいて、1回の事象に惑わされずに、同じ行動をとり続けることができるのか?
具体的に言うと自分の売買ルールを何度も何度も繰り返して、「刺激」に対する自分の「行動」を一貫性を持って起こせるか?
その行動によって、統計的な結果を導く事ができるのか?
これができて初めて、自分の売買ルールが市場に通用する、という学習ができるのではないかと思います。
まとめ-明日の株式投資に活かすために-
世の中には、様々なノイズが溢れています。世界情勢ニュースやら、投資顧問のアドバイス、色んな人のブログ、その他ファンダメンタル的な楽観論、などなど。
それらに惑わされて、自分の行動がぶれてしまうと、結局、得られた結果は何の意味も持ちません。
結果が、「勝ち」だったとしても、自分の売買ルールに基づいた結果ではなく、たまたま仕入れたニュースに基づいて行った売買の結果であれば、それを次の売買に活かすことはできません。
売買技術を鍛えていくとは、自分のルールに基づいた売買をして、その結果をもとに、勝ちやすいスタイルを磨き上げていくことだと思います。
売買根拠を、自分でコントロールできない「何か」にしてしまった時点で、得られる結果は、次に活かせない情報になってしまい、学習することができません。
学習することができないと、どうやって投資をしたら良いかが分からず、不安になります。
不安になると、さらに様々な雑念に惑わされて、売らなくて良いところで売ってしまったり、買わなくて良いところで買ってしまいます。
そして、これらの事は、私の1年前の状況に非常に酷似しています。
何を信じて売買して良いのか分からなくなり、ポジションを持っても迷いばかり。
結果、ちょっとしたふるい落としに売らされてしまう、そんなダメ投資家でした。
1回1回の売買から学ぶためには、まず、軸となる売買ルールを決めること。
そしてそれを遵守すること。
その行動の結果を反省して売買ルールに反映すること。
そして、また売買ルールに基づき、トレードすること。
この繰り返しで、投資スキルは向上していくと思います。
書いてみれば当然のことですが、これを抽象化し、行動心理学という観点を加えたのが、本書「投資の行動心理学
この本、もっと簡単に噛み砕いて書けば、もっと売れるのにな、と思いました。
ご興味があれば、どうぞ。でも、読みにくさは覚悟してくださいね。
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